京 都


少し長い休みがとれた主人と急に思い立って…

実家に帰る度に寄っていた私と違って主人はかれこれ30年ぶり?
若い頃に過ごした懐かしい街もまるで浦島太郎?
私の案内で4日間の寺社めぐりを楽しんできました♪

自宅をゆっくり出発
新幹線が京都駅に滑り込んだのが1時過ぎ

ホテルでチェックインを済ませ身軽になって…
先ず向かったのは地下鉄の京都駅
“こんなのが出来たんだ!”とは主人の弁
周りの人が聞いたら“いつの事言ってるんだ?”と笑われそうです



この日の予定は鷹峯
地下鉄北大路駅でバスに乗り換えるとほんの十数分で到着、バスで1時間半近くもかかって行ったのが噓のよう…
閉園時間が5時というのに2時過ぎに京都駅、これで十分間に合うのですから




源光庵



“木の襖”と書かれていたような…





悟りの窓と迷いの窓
丸窓は禅と円通の心を表わし、円は大宇宙を表現
角窓は人間の生涯を象徴し、生老病死の四苦八苦を表わすとか


何となくわかる…





本堂廊下

見上げると天井には血痕が…

徳川家康の家臣・鳥居元忠が石田三成軍と伏見桃山城で交戦
徳川方が力尽きて自刃した時のものだとか
鮮明に残る血の跡が生々しい

お寺の天井に使うことでその霊をなぐさめていると…

血天井




足型・手形がはっきり残ってる



田舎道をてくてく…ではないけれど、昔は道しるべもなく探しながら辿りついたものでした
今は郊外住宅地といったところでしょうか、周りの景色に記憶がなく戸惑うばかり
さすがにこの辺りは静かではありましたが…






光悦寺

初めて来たのは徳川家康(26巻)を読み返していた20代の頃、人がいなくて落ちついた風情が大好きで何度も訪れた場所
見覚えある道路際の石碑を左に曲がる…
この参道からの眺めは記憶のまま、さわさわと風に揺れるもみじの緑がとても爽やか♪




写真を撮りながらゆっくり歩を進め、この鐘楼を見上げて主人に話しかけようとしたら…
ここで又もやスッテン!!
思わず“骨折?”の2文字が頭をかすめましたが何とかセーフ、我ながらヒヤッとした一瞬でした
この後は主人のお小言を拝聴(*^_^*)

右手に持っていたコンパクトカメラのレンズは飛び出したまま、初日でアウトです

茶道の奥義までも極めた本阿弥光悦
庭内にはお茶席が点在している
有名な光悦垣



閉園に近い時間帯でもあったからでしょうが園内は私達二人
大好きな場所を独り占めできたのがとても嬉しかった

園内は一面のもみじ

色付く秋には多くの観光客が訪れるのでしょう
さほどひろいお寺ではなかったからか、2箇所拝観できればと思っていたのに時間に余裕が…
100mほどの距離に建つ常照寺へ


天下の名妓として一世を風靡
その才色兼備を謳われた吉野太夫が寄進したという吉野門


さっと回るつもりが先ずは本堂に通され、私達のためにDVD映像を…
残った短時間で駆け足のごとく走り回っても…と奥の方へは回らず、おしゃべりしながらのんびり散策
こうしてこの日の観光はお終い、帰路についたのでした
あとでパンフレッた見たらほとんど見てない?






まだ明るいので河原町に出て足の向くまま…

歩く中、今夜の夕食は祇園に決定

どこのお店が良いかしら??
鴨川で涼を楽しむ人達

先斗町を歩きながら “納涼床で食べようか…という事になったが時既に遅し、鴨川に面した席はどこもいっぱい
お料理は二の次、ともかく空いてるお店を探して…


風景も素敵なご馳走です♪

先客が1組、何とか川側の席が見つかりました

この後間もなく満席、ラッキーでした(^o^)
正面の大きな屋根は京都南座




左側が夕食をとった先斗町 川床から見えていた南座 5月だというのに京都は30度
夕涼みをかねて八坂神社まで散歩

祇園・八坂神社前のバス停から京都駅へ
予想外の気温に慌てましたが、ほど良い疲れでホテル到着

明日の予約に備えてこの日は早めに就寝♪







修学院離宮

あらかじめ宮内省で予約していた見学は9時集合

後水尾上皇の山荘であるこの離宮もおよそ40年ぶり?
もちろん(?)何も記憶にない…

宮内省職員の方の引率で下離宮~中離宮~上離宮をおよそ1時間半歩きます



杮葺きの屋根、扉には花菱紋の透かし彫り
御幸門から下離宮に入ります


壽月観
建物は柿葺入母屋・数寄屋風造り


右写真の扁額、後水尾上皇の宸筆だそうです
小さな橋の手前に置かれた石
進入禁止の印です



中離宮へ
客殿
大小の棚板が互い違いに配された飾り棚は霞棚と呼ばれ
桂離宮の桂棚・三宝院の醍醐棚とともに天下の三棚と称されるとか

杉戸に描かれた鯉の絵の筆者は不詳
しかし鯉の絵の網だけは円山応挙の筆とか
網だけ???



上離宮へ


中央が大刈り込み
谷川をせき止めて浴龍池を作った土堤に石垣で4段に土留めし
石垣上部の斜面を常緑樹を混植

それを広大に刈り込んだ大刈り込みでで覆っているもの


往復で聞いた説明でようやく理解できました
中離宮からいったん戻り
松並木の御馬車道を上ります



浴龍池

御船遊びの場であり、島々を廻りながら管弦や詩歌の会などが行われたそうです

窮邃亭・千歳橋
切り石を組んだ橋脚2基に1枚石を渡し
宝形と寄棟作りの二つの亭を建ててつないでいる
中国的なこの建物
パンフレットには“アンバランスの美”と記載がありました

右方が楓橋、左が船着場 窮邃亭




隣雲亭


軒下たたきの“一二三石”
白漆喰に赤・青・黒の小石を散りばめている







曼殊院

旧門(今は閉鎖) こちらが入場門

本来は庫裡だったようです



遠州好みの枯山水の庭園を前にしばし休憩


30度を越す暑い中を歩き続けた修学院
その疲れもここで回復…
鶴をかたどった五葉松
樹齢約400年だそうです







詩仙堂・丈山寺

ここも好きだった場所、数年ぶりでしょうか
前回来た時には、周りの景色の変わりように驚いたものでした

賑やかな通りから住宅街へ入る…
昔と変わらないこの門が迎えてくれます



左写真の建物奥が詩仙の間

詩家36人の肖像を狩野探幽に描かせ
頭上に各詩人の詩を石川丈山自らが書いて
四方の壁に掲げている

今はどこの社寺も建物内は撮影禁止
廊下に出て…という事なので、当然庭の写真だけという事になります

保存のためには仕方がないのでしょう



庭に下りて散策を…♪

残月軒







無鄰庵

何かの折に名前を目にし、聞いたことのない名前に興味を持った場所でした
行ってもいないのに、たまたま京都に行く…というお友達に薦めてみたり…

南禅寺のすぐ近くなのに、京都出身の人でも知らない人が多いのには驚きました

ようやく自分の目で確認してきました
ここは明治・大正時代の元老・山県有朋が造営した別荘
大半を占める庭園は有朋自らが設計・監督、緩やかな傾斜地に東山を借景とした回遊式庭園



疎水の水を取り入れ、滝や池を配してあらゆるところで水が流れている
“それぞれの水の流れ、全部音が違うように工夫されているのですよ”

お抹茶をいただいている時に聞いた言葉です


違いはわからなかったけれど、何処にいても水の音は聞こえた…

ここでお抹茶を♪


入り口のすぐ右にあった洋館、資料館となっていたので最初にざっと見学…

あとで資料を読むと、山形有朋・伊藤博文・桂太郎・小林寿太郎の4人が外交方針を決める会談をここで行ったと
感慨深いものがありました











金閣・鹿苑寺



行くつもりはなかった金閣寺
近くまで来たからと寄り道…

総門前から既に人の列が続く
世界遺産の石碑

入場したのが4時過ぎ
ちょうど逆光タイムで撮影には不向きな時間帯…




さすがに金閣寺??
修学旅行生や大勢の観光客が撮影順待ち…

このすぐ左手は進入禁止となっていて、狭い場所に人が群がり大混雑
正面となる場所には行けないし、あいにくの逆光で動ける範囲が狭い
しばらく待って撮った写真、この角度が精一杯でした

裏側は建物にも近い
でもやはり・・・
赤い傘と毛氈が鮮やか
以前は裏山の休憩地から池と建物を見下ろせ、違った景色を楽しんだもの
人の流れに付いて行ったのに、見覚えある場所には到達せず…

入り口から続く大混雑の人の波と制限された通路、今回一番ガッカリしたのはこの金閣寺だったかも知れません







岩倉・実相院


ここは初めて…
以前は交通手段はバスのみで、ここを往復するだけで一日かかると言っても大げさでなかったくらい
渋滞のない地下鉄が利用できるのは時間の短縮になり何箇所も回れるということ、観光客にはとても便利で嬉しい

ここは天皇家の血を引く方々が住職を務めた門跡寺院といわれる格式の高い寺院
当時は格式高い家柄の人々が集い、和歌の会やお茶会などが開かれていたとか

岩倉具視もここを借りていて住んでいたそうです
なんと開門前に到着! 10分ほど待って気が付くと門が開いてた…
一番乗りの私たちと同時に入ったのはどこかのテレビ局(?)

素晴らしいと聞いて見に来た床板に外の木々が写り込む「床もみじ」「床みどり」と愛称のついた黒光りする床
それを写すためにお座敷に機材を広げて撮影準備そして撮影…
私たちは邪魔をしてはと早々に庭の方へ退散…

比叡の山並みを借景とした石庭

こんな感じ♪
室内を通り抜ける度に見たがカメラは動かず、まだ終わりそうにない
諦めた私たちの方が実相寺を後にしたのでした








円通寺


前回行ってから40年以上も経ったでしょうか
部屋の中からは、額縁の中に納まった比叡山だけが見えた…

この辺りもさすがに住宅地となってはいたが、まだまだ閑静といえる地区

白く長い塀に添って歩いていたら到着です
手入れの行き届いた全く見覚えのない山門を通り抜けて…


比叡山を借景とした枯山庭園


果たして今も比叡山だけが見えるのか…の不安も一瞬に消え去りました

でも樹木が大きく育ち比叡山も細切れ(?)状態、場所を選ばないと頂上も見えない…
やはり変わり行くものです









仙洞御所

1時の予約に合わせて御所へ

予約をいれたのは2週間ほど前、参観者は修学院離宮よりもはるかに多かった
この時点で桂離宮は既に予約満杯、人気の程がわかるというもの…

仙洞御所というのは皇位を退かれた天皇の御所、後水尾上皇の御所として1630年に完成した

参観の出入りは大宮御所の正門から 大宮御所御車寄・御所の玄関




この前を通り仙洞御所内へ向かう



藤棚のの下・八つ橋



楕円形の粒の揃った石、11万1千個が敷き詰められている
醒花亭
又新亭
80分ほどで参観は終了、京都御苑をのんびり散歩…




         
後方の山の左
主人に言われてよ~く見ると“大”の字が…

大文字焼きの場所でした

      初めて入った京大、正門前にそびえるのが時計台
                  







天授庵

南禅寺の開山塔であり、山内で最も由緒ある寺院だとか、何とか間に合いました!
枯山水の東庭

石畳に緑苔をを添えた幾何学的な模様が白砂に良く映える
ここでも暇~な主人のおふざけが…




書院南庭






永観堂

時間は4時半、何とか間に合う…と小走りで駆け付けたのに、入場口には閉園の看板
時間を確認したらここは4時半閉園でした

外の写真だけ撮ってお終いです

思いつきで行くとこういう事になるのですね(*^_^*)






南禅寺



ここも既に閉園
山門を通り抜けただけ…




京都タワー

京都駅に戻って夕食
今夜は早めにホテルに…



夕食を終えホテルに戻ろうとした時に、京都駅ビルの大階段で行われているイルミネーションのポスターが目に…
急いで5階まで直行


5階から7階までの階段に映し出される光の絵文字、翌15日に行われる葵祭りの前夜祭でしょうか?
ホテルに入る前にしばし観賞…
夜風に吹かれながらのイルミネーション観賞、何だか得した気分になりました♪








京都4日目、最後の日は葵祭り
元々見ても見なくてもどちらでも…の気分
30度を越す中じっと行列を待つ気にもなれず、混雑する市街地を離れることに

まったく予定していなかった嵐山へ向かったのでした




嵐山~嵯峨野

10年ぶりくらいでしょうか
以前来た時は大混雑で、景色の変化もさることながら人の多さにガッカリしたものでした

覚悟して来たのに人がいない…、これもまた驚きでした





宝厳院

天龍寺の塔頭寺院、普段は入れないが春の特別拝観時期とあって入場できました
嵐山を借景とする回遊式庭園は“獅子吼の庭”と呼ばれる
宝厳院垣(別名蓑傘垣)
たくさんの羅漢様が…


こちらは豊丸垣の名がありました







天竜寺


拝観受付の前にズラッと並んでいたのが修学旅行の高校生
さすがにここだけは大混雑、ショートカット拝観となってしまいました
大方丈
曹源池より嵐山を望む





   



北門を出て、竹林を抜けると大河内山荘…





大河内山荘


大乗閣 滴水庵




月香亭から市街を一望できる


入山券はお抹茶・お菓子付き
今回No1のお値段は1,000円也








庭にたくさんの人形が…

アトリエでした







常寂光寺

何度か来ているのにまったく記憶がないのが不思議だった…

山門 仁王門
多宝塔








柿下舎

田んぼ道をてくてく歩いたのを覚えていましたが、やはり周囲は変化あり
かろうじて向かいの土地だけが空き地、何故かホッとしたものです





二尊院


“紅葉の馬場”と呼ばれる参道
両サイド紅葉が続く


黒門
総門
勅使門(唐門)

本堂

入る時に人が多くて写せなかった総門
出てからその事に気付き、しばらく待っていたけど…
修学旅行の高校生は立ち去る気配なし
少し離れた場所で諦めて撮った写真です






祇王寺

もっと狭いと思っていた私、ここ祇王寺も記憶がすっぽり抜けていた
新鮮な気持ちで見る事が出来て良かったかも…


うっそうとして陽が届きにくいのか
苔がとてもきれいだった

奥が祇王寺



ここでも又…
主人のいたずらです






化野念仏寺

石仏・石塔は8,000体を数えるといいます



連日30度を越す暑さの中を朝から歩き回り、二人ともちょっとお疲れモード…
早めに京都駅に戻ってゆっくりしようと決めました

バスで戻るつもりでいたが葵祭りで市中は渋滞してると言われ、JRの駅に回って山陰線で京都駅へ



京都駅の大階段


これは7階の最上階からのもの

京都駅は何度も利用してるのに
大階段なんて知らなかった…

つい読むのが面倒でバッグに入れてしまうパンフレット
ちゃんと目を通さないとだめ…を実感!
4日間、ひたすら歩き回った京都旅行もこれで終わり…
市内だけで4日間というのは初めての事、暑い中をよく歩きました

楽しかった~♪♪

でも二人分となるとウン万円になる拝観料がバカにならない、今回改めて気付かされました


又しばらくはご無沙汰となりそうです