派長

僕はちょっと腕を伸ばす
君はちょっと腕を伸ばす
   僕の手は君の左胸に届く
   君の手は僕の左胸に届く
   僕はとても暖かくなる
   君はとても温もりを感じる

僕はちょっと腕を伸ばす
君は精一杯腕を伸ばす
   僕の手は君の左胸に届かない
   君の手は僕の左胸に届く
   僕は宙ばかりを掻いている
   君は何にも受け取らない

僕は精一杯腕を伸ばす
君はちょっと腕を伸ばす
   僕の手は君の左胸に届く
   君の手は僕の左胸に届かない
   僕は何だか物足りない
   君は何だか空しい気がする

僕は精一杯腕を伸ばす
君は精一杯腕を伸ばす
   僕の手は君の左胸に届く
   君の手は僕の左胸に届く
   僕は君・・・
   君は僕・・・

    (1984.1.21)



Copyright(c) 抒情詩のページ 葉擦れの地、Digitalize  Author:Shionagi_buchi(汐凪ぶち) Since:2015 All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com