ただ虚栄によって自らを慰めてきた
それだからこそ
己をさらけ出すことは恐怖だった
傷つけば傷つくほど
頑なに、そして絶望的に蔑み
あらゆるものを遠ざけ、はねつけた
虚栄の裏返しとしての
妬み、嫉みに取りつかれ
抑えることのできぬ大きさになっている
残っているのは、もはや
隠しおおせぬほどの疲弊と不機嫌の塊であり
不潔極まりない実体、劣等感
かつては言うことを聞いていた端末も
今や所有者の意思とは無関係に
けばけばしい色彩だけを押し付けてくる
今や、私自身も同類になっている
動作することが生命であるならば
所詮、私は単に生命である
センサーとモーター
それに、統計的処理装置
そこに多少の乱数を加えただけのこと
にもかかわらず、この体たらくは何だ
邪魔くさい虚栄本能にしがみ付く―――
この自慰行為から逃れることは不可能らしい
世界への嫌悪感、磊落と疎外と
何もかも、みすぼらしい臭気がする
単なる薄ペラな三文芝居まで演じるなど
ポケットから取り出した小さな画面は
「ここにこそ全てが在る」と笑いかけている
こいつこそが我々を矮小化していることに
多くの者たちが目をつぶっている
計算され、操られていること―――
その証拠を、絶望的に探している
誰を迎えに行くこともなく、ただ
水平線を眺めている
(2017. 5.16)