
隠れ里
継ぐ
紡ぐ
拒む
背負う
美と醜の共有
地平線の翌日
在るという感覚
知られるという羞恥
(押し殺された虚栄がもがき出す)
喘ぐように
ひた、ひた、と打ち寄せる湖水
狂うことの予感
時間への帰依
静穏な欲情に包まれ
性を露わにすることで得られる恍惚
その入り口を跨ぐ者が
私を連れ去る
耳を澄ますと
風が微かに流れ
対岸の街の賑わいらしきざわめきが
湖面を渡ってくるのが感じられる
(舟がある)
私を抱く腕の強さと温かさ
共鳴し、うちふるえる心臓
不連続な偶然によって斧を振り下ろすべく
大地が遂に微動を開始する
受け入れ
殉じ
滅ぶ
喜悦
(私は継ぐことを命じられた)
(2015.5.6)