雪の日

雪が舞い落ち、降り積もる
重く、白い目映さ

凍った雪の重みで
緑の竹がたわんでいる

雪に影が落ちている
亀裂の奥にうす青い光が覗いている

   静かに我々をたしなめ
   謙譲と諦念を説いている

   解放されることを望んでいるのか
   束縛されることを望んでいるのか

   孤独ではない「ひとり」
   その中でのみ産み出されるもの

   いや、むしろ
   欲している何ものもない―――

   向き合う必要のない事実というもの
   吸い取られた音が亡霊となってゆく

陽光が降り注ぎ、反射する
解き放たれるにはまだ早い

南天の紅の枝葉に懸垂する
透明な氷柱の表面を覆う水膜の輝き

   ノスタルジーに過ぎない言語
   より緻密な記号としての言語
   遊び道具としての言語

     (2014.2.10)



Copyright(c) 抒情詩のページ 葉擦れの地、Digitalize  Author:Shionagi_buchi(汐凪ぶち) Since:2015 All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com