
雪の日
雪が舞い落ち、降り積もる
重く、白い目映さ
凍った雪の重みで
緑の竹がたわんでいる
雪に影が落ちている
亀裂の奥にうす青い光が覗いている
静かに我々をたしなめ
謙譲と諦念を説いている
解放されることを望んでいるのか
束縛されることを望んでいるのか
孤独ではない「ひとり」
その中でのみ産み出されるもの
いや、むしろ
欲している何ものもない―――
向き合う必要のない事実というもの
吸い取られた音が亡霊となってゆく
陽光が降り注ぎ、反射する
解き放たれるにはまだ早い
南天の紅の枝葉に懸垂する
透明な氷柱の表面を覆う水膜の輝き
ノスタルジーに過ぎない言語
より緻密な記号としての言語
遊び道具としての言語
(2014.2.10)