点

電子レンジの中にある鉛筆
オレンジの光

テーブルに置かれた古靴
小さなサイズ

天上から吊るされた―――
針金のふた巻

   収束
   かつての僕の幻像

   叫ぶ
   空を切る

   蜘蛛の巣のようにまとわりつく
   記憶

   僕は棄てたのか・・・本当に
   棄てられたのか

重ねられ
別々のチャンネルを写す3台のテレビ

交錯する音声
捉えられることを拒む映像

   死とは何かを確かめたい
   生から死への変遷を確かめたい

   破滅するために生まれてきた
   なのに、時計は停止してくれない

   額を締め付ける鈍痛―――
   それを超える激痛を探すのだ

ガラスや陶磁器の破片の山
再生を拒まれたものたち

   破壊することはおぞましい
   破壊されたものが愛しい

収束
取り除けられた者としての自分

収束
無機物として扱われた僕

収束



   (2008.4.24)



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