部屋

冴え冴えとした月あかりの
スレートの屋根に沁み込む

蛍光灯のあかりの
ツゲの葉裏をしろく浮き出す

劣化したプラスティックの
ざらりとした肌触り

滴る光の


享けるもの
わたしがそれになる

雑音が遥か遠くに薄れてゆく
ひと呼吸ごとに

完成された孤独を
静かに繭を、編む

何者も手の届かぬ
白い砂底から湧き出る泉

私は手を伸ばさない
息をしている

     (2007.2.2)



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