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Wellington - Picton - Kaikoura

Lake Tekapo - Mt. Cook

kaikoura - Timaru

Lake Tekapo - Queenstown

Timaru - Lake Tekapo

Queenstown

Wellington-Picton-Kaikoura (10月10日、走行距離:219Km, 通算2439Km)
朝6時30分起床、前日に宿泊代の精算を済ませ、まだ皆が寝静まった宿を7時に出発。国道2号線に出ると、もう朝のラッシュだろうか沢山の車が市内に向かっている。昨晩からの雨が止まず、空はまだ薄暗く、前の車の水しぶきで視界が悪い。前日調べておいた道順に従いフェリー乗り場に行く。

8時前に着いた。まだ乗客はまばらだ。出発ロビーがある入り口で車から荷物を降ろし、ロビー前の高架橋下の駐車場にある Budget 指定場所に車を置く。鍵は出発ロビーと別棟の到着ロビー内にある Budget 受付カウンターのキードロップに入れて車返却手続きを終了する。

乗船のチェックインは空港と同じで乗船券を購入して、となりのカウンターで荷物を預ける。後は乗船時間を待つのみ。しばらくすると、他の乗船客が続々と集まり、やがて待合室は一杯になった。

Wellington と Picton 間を2時間ほどで結ぶ,高速フェリー「The Linx」があるが、我々は急がない旅なので、3時間かけてゆく鈍行フェリー「Arahura」でゆっくりクック海峡を眺めながら行くことにした。フェリーは11万3千トンの大型船で、船内は綺麗で内装も立派。

我々は Club Class と言う一等船室に入る。入り口は常にロックされ、ドアーの開閉は暗証番号で行う厳重さ。部屋は我々の他に7名がいる。フリーサービスのお茶とクッキーでゆったりしたソファーに座り、大きく取った窓から荒れたクック海峡を眺めた。

ピクトンに到着。到着ロビーで荷物を受け取り、外に出るとレンタカー各社の受付事務所がある。我々は Budget で車を受け取る。韓国製の Hyundai 車だ。走行距離5万キロ、車内は香水だろうか、すごく臭い。不満であったが、他の車も似たり寄ったりなので我慢した。Picton の街は小さく、昼食を取るレストランを探したが、適当なのが見つからず、これから先の街で昼食を取ることにした。Picton から20Kmほど走った所の Paraで昼食を取ろうと駐車場でエンジンを止め、イグニッション・キーを抜こうとしたが抜けない。不満に思っていた車でキーが抜けない。「こりゃーダメだ。車を交換しよう」とまたもと来た道を Picton まで戻る。

Picton の Budget のオフィスには誰もいない。次のフェリー到着までスタッフは戻らないらしい。仕方がないのでこれから行く Christchurch で他の車と交換してもらう事にした。往復40Kmを無駄にした。国道1号線は相変わらず車の交通量は少なく、皆良く飛ばす。海岸線に出るともうここはKaikoura の街。回復した天候が再び崩れ、雨、風共に強まり、海は大荒れ。夕刻、宿に入った。

今夜は Kaikoura 名物のクレイ・フィッシュ(伊勢エビ)とムール貝を食べようと、真っ暗な雨の中を町はずれにある Finz に行った。店内は混んでいたが運良く窓側の席に着けた。迷わずクレイ・フィッシュにムール貝を注文。もちろん、ワインはこの地方特産の白ワイン、Marlborough Sauvignon Blanc。材料は新鮮で美味しく、ムール貝を追加注文をしてしまった。ワインは出しゃばらず料理に良くマッチしてグッド。注文したワイン・ボトルもいつの間にか空になっていた。

Kaikoura -Timaru (10月11日、走行距離:349Km, 通算2788Km)
昨夜からの嵐の様な天候が早朝まで続いた。楽しみにしていた Whale Watching Tour は雨が止んだものの強風のため中止。6時30分からスタンバイしていたが無駄になった。Tour 中止のため予定より早めに宿を出る。


山が海岸まで迫った狭い1号線を進む。ヘアーピンカーブの連続で、切り立った崖下では波が岩にぶつかり砕けている。未練がましく沖合を見ると水面は大きくうねり、白波が立っている。これではとても船は出せない。
                                                                                                     
Christchurch に着く頃は天候が回復し、日も射し始めた。Christchurchで Budget のオフィスに行く。Budget の説明によると、「Hyundai 車の鍵は押しながら回すと抜ける。故障ではない」と言う。しかし、車に不満であれば他車に交換するとのことで、新しいニッサン車に替えた。

Christchurch から今夜の宿泊地 Timaru までは2時間のドライブ。街を出ると、どこまでも真っ直ぐな一本道。道路の両側はポプラの生け垣で周囲を囲った葡萄園が延々と続く。所々に小さな集落があり、入り口には大きく速度制限を100Kmから50Kmに減速する標識がある。これを無視して飛ばしていると、[ Speeding ] スピード違反で捕まる。時々、パトカーに捕まったオートバイや車を見た。

Timaru の宿は街はづれにあり木造平屋のコテージ風。案内された部屋は何となく気に入らず、料金を上乗せして角部屋に変更した。

ここは2ベッドルーム、リビング、ダイニング、キッチン付きのデラックスルームで満足。洗濯作業は手際良くなり、旅のリズムが出来てきた。

 

▲ Timaru の案内所前にて

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Timaru - Lake Tekapo (10月12日、走行距離:106Km, 通算2894Km)
快適な部屋で久しぶりに朝寝をした。今日は Tekapo 湖まで2時間のドライブなので時間的に余裕がある。街を散策する。目抜き通りが一本ありここが街の中心地。銀行、レストラン、ショッピング・センターなど生活関連商店が並んでいる。床屋さんが値引きキャンペーンをやっていてカット・シェービングで20ドル(千円程度)。

街の外れに教会がある。英国ゴシックの堂々たる教会で塔は空を突き刺す屋根ではなく四角い平面なもの。塔に登ってみた。急な梯子段で足がすくむ。車に戻りアクセルを踏むと足が突っ張る。どうやら、塔に登る時、緊張して、足に無駄な力を入れていたらしい。

Timaru の店で以前から欲しかったワインの栓抜きがあったので買い求めた。イタリア製だ。

午後, Timaru を後に Lake Tekapo に向かう。国道8号線を進む。牛や羊や鹿などを放牧した牧草地帯を行き、Pleasant Point と言う町に入る。国道沿いに小さな鉄道の駅がある。昔ながらの駅で駅前には桜並木があり、丁度満開。濃いピンクの花が咲きとても見事。



8号線と合流してしばらく走ると Burkes Pass と言う峠にさしかかる。今まで空を覆っていた厚い雲はどこかに消え、雲一つない蒼空。おまけに前方には冠雪したサザン・アルプスの山並みが見えた。南島に入って初めてのサザン・アルプス。このあたりは一面の草原で山並みを遮るものは何もない。そしてもう一つの峠を越えるとさらに視界が開け、ミルキーブルーの湖が眼前に迫ってきた。

Lake Tekapo だ。湖の岸辺に立つ小さな教会が「良き羊飼いの教会」で教会内の見学は有料。中に入ろうとしたら今日はこれで閉館。3時で閉めると掲示してある。

多くの観光客がいたが「時間です」とばかりさっさとドアーを閉め、鍵をかけ係員は帰っていってしまった。中に入らずとも周囲の美しい景色を眺めるだけで充分と諦める。今夜の宿は 二階のベランダ付きの部屋。窓から、アルプスと湖がよく見え最高。窓際に椅子を動かし、素晴らしい景色を眺める。

夜、湖畔のレストラン、Tavern に行く。窓際のテーブルに案内され、夕闇のテカポ湖を眺めながら、鹿肉、ヴェニソンとテカポ特産サーモンをワインと一緒に注文した。店の雰囲気は良く、料理も美味しかった。


 

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Lake Tekapo - Mt. Cook(10月13日、走行距離 :254Km, 通算3148Km)
オーナーの Rosemery 夫人と朝食を取る。ご主人は Mt. Cook のホテル建設で一週間に一度帰って来るとか。明日は日曜日。教会には?と聞くと最近はあまり行かないらしい。今日は昨日入れなかった教会に行きたいと言ったら、土曜日は11時までは一般の見学は出来ないとのことなので Mt. Cook に直接向かう。

Lake Tekapo を後にして8号線を進む。相変わらず交通量の少ない道は火星の地表の様な荒れた広い平野を50Kmほど走ると Lake Pukaki に到着。

この湖は氷河湖だろうか南北に細長く、マウント・クックにあるタスマン氷河に続いている。湖畔には一軒のインフォーメーションセンターがあるのみで他には何もない。ここからマウント・クックが展望出来る様に、双眼鏡が据えられているが、山々の頂きは雲に覆われ、よく見えない。これからマウント・クックに行くには8号線から80号線に入り、片道二車線の広い一本道を Lake Pukaki に沿って進む。アルプスの山並みが次第に大きくなり、黒々とした山の岩肌が迫り、もの凄い威圧感がある。

湖はやがて広い河原となり山の麓に張り付いた様に固まっている集落に着く。ここに The Hermitage のホテルとインフォーメーション・センターがある。

見上げる様な大きな岩山を眺めながら Hermitage のダイニング・ルームで昼食。いろいろな人々が食事をしている。登山姿の若者、観光バスで来た軽装の団体サン、新婚さんと一目で分かる日本のツアーカップル等々...我々はどの部類に入るのだろうか?

少し味が濃いビュッフェスタイルの昼食を食べ満腹。腹ごなしに、タスマン氷河の見える所までトレッキングの真似事をすることにした。氷河見学コース入り口まで、車で砂利道をモーモーと砂埃を舞い上げて行く。道は狭く、急な坂の登り、下りはスリップしない様にエンジンブレーキを利かせる為にセカンドギアで注意して進む。たぶん、レンタカーでの乗り入れを禁止した区域ではないだろうか。

 氷河見学入り口の駐車場に車を置き、ここから急な岩山をよじ登ること30分。稜線に立つと視界が大きく開け、岩山の谷から灰色の大きな氷の帯が連なっている。氷河の上は崩れた岩石が積もり、所々に氷河特有の青い氷の塊が顔を出している。上空には遊覧のヘリコプターが芥子粒の様に小さく見えスケールの大きさに感動した。

 

 

マウント・クックが一瞬その頂きを我々に見せたので満足し、宿のある Lake Tekapo に戻る。


今夜は快晴。部屋のベランダから見る夜空には沢山の星が輝いていた。しかし、寒い。南十字星の位置が分からず、早々に部屋に戻りベッドに潜り込む。

ニュージーランドのどこのホテル、モーテル、B&Bでもベッドに必ず電気カーペットが敷いてあり、暖かい。その代わり、部屋の暖房が充分ではない。また、さすが酪農国。モーテルではチェックインの時に必ず、新鮮な牛乳のワン・パック・サービスがある。味が濃くて美味しい。

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Lake Tekapo - Queenstown (10月14日、走行距離:269Km, 通算3417Km)
今日は Arrowtown に寄ってから Queenstown に行く。アルプスの山並みを眺めながら、広い草原の中に延びた真っ直ぐな一本道を100Km/時で走る。バックミラーに車の列、追い越させる。追い越した車はみるみるうちに見えなくなる。140Km以上は出している。追い越す車はほとんどがトヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダ等の中型の日本車でクラウン、シーマー等の大型車は一台も見掛けない。欧州車もほとんど見ない。
Queenstown の手前にある Arrowtown は昔、金鉱堀りで栄えた町で当時の街を良く保存し、今は観光で稼いでいる。当時監獄であった建物は現在は博物館となっている。この種の街には必ず監獄がある。

当時の街の繁栄振りに比例して簡単なものから、堅固なものまであって興味深い。ここでニュージーランド名物のアイスクリームを食べる。しっとりコクがあり美味しい。一番小さいアイスクリームでも大盛。
 Arrowtown から山間を行くと細長い、Lake Wakatipu が見えてきた。この湖畔に開けた街が Queenstown。今夜、明日の晩と2泊する宿はB&B。山の傾斜に建つ山小屋風の家で湖が一望出来る。

駐車場に車を止め庭先から入ると庭仕事をしている初老の男性がにこやかに挨拶し、我々を迎え入れ、リビング・ルームで上品な老婦人を我々に紹介した。彼は Chris で, 婦人は奥さんの Maria 。案内された部屋の窓は大きく、湖が一望に見渡せる。
Chris はすかさず
「これからどこに行く?」
「夕食は?」
と矢継ぎ早に質問してくる。
「これから市内を散歩」
「だったら正面に見える山にある Deer Park に行き、山頂から町全体を眺めたら?」
「夕食は?」また聞く。
「予約していないので..」
「問題ない。マリアは元シェフだったから料理上手だ。家で食べてくれ」
「OK」。
こんな調子で早々に Deer Park に行かされる羽目になる。

Deer Park への道は途中から砂利道に変わり道は急になり、道幅が狭く、ガードレールもない。とんでもない所に来てしまった。道幅が狭く、Uターンも出来ず、ローギアーで恐る恐る進む。Deer Park と言うだけあり鹿が多く放牧され、牛、山羊、羊なども山の急斜面に放牧され、自然動物公園のようになっている。

山頂に出た。岩山なので周囲に遮るものはなく、眼下に広がる Queenstown が箱庭の様に綺麗。Chris とMaria はこの景色を見せたくて我々に強引とも言える勧め方をしたのだと分かった。山頂は風が強く、寒い。早々に山をまたローギアで注意しながら下る。

今夜は Maria が料理した Hogget (生後3-4ヶ月の子羊の肉。ラムより更に柔らかく、臭みもない)で白ワイン(出されたワインは何故かオーストラリアのワイン)とよくマッチして美味しい。Chris と Maria も一緒に食事をして、あれこれ旅の話などで夜遅くまで話し込んでしまった。Chris はオランダのアムステルダムの出身で、Maria は北部イタリアのメラーノの出身。二人はドイツで知り合い結婚し、現在はニュージーランドに住んでいる。二人の娘は30才過ぎて二人とも今も独身。それぞれ海外で活躍中。ご夫妻はニュージーランドで悠々自適で生活をエンジョイしている。

来年はドイツを旅したいと話したらドイツやイタリアの地図を出し、行くなら是非ここに行きなさいと今まで聞いたこともない地名をあげ、われわれに行くことを勧める。そして車で旅行しなさいと言う。


「左ハンドル、右側通行だから慣れていないので都市部に入れない」と言うと、
「街の外に宿をとり、そこからタクシーで行けばいい。第一、重い荷物を持ち歩く必要がない。」
同感!言うことは全てごもっとも。

Queenstown (10月15日、走行距離 : 98Km, 通算3515Km)
朝から雨。気温もかなり低い。開拓時代を思わせる蒸気船 Arnslaw 号でワカティブ湖を遊覧する。この蒸気船は別名、「湖の貴婦人」と呼ばれ80年以上も現役で活躍しているとか。

船内は広く上甲板にはバーとピアノがあり、遊覧中ピアノ演奏が続いた。また下の階にはエンジン・ルーム見学用の渡り廊下があり、立派なダイニング・ルームまである。生憎雨で周囲の風景は霧に包まれ良く見えなかったが湖面を滑る様に進む1時間30分の優雅なクルーズを楽しんだ。

 

夕刻、がらーんとした市内を散歩し宿に戻る。今夜はゴンドラで山頂まで行き、山頂のレストランで夕食をとる予定にしていたが、Chris の勧めで、今夜も Maria のスパゲティー等の本場イタリア料理を夫妻と一緒に味わうことにした。

今夜も遅くまで話し込んだ。同宿のオーストラリアの若いカップルは外で日本食とイタリアンを取り、Maria の手料理を頼まなかった。

                                                                                                   快晴の場合

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