命の使い方(2005年3月21日)

 もう二ヶ月ほど前のことであろうか・・・、中国のネットサーフィンをしていたところショッキングな映像に出会いました。動物愛護団体が毛皮に使われる動物達の殺される場面を映像にして世にその是非を問う内容でしたが、長年中国の内陸部にいた私もさすがに目を背けたくなるようなものでした。

http://my.so-net.net.tw/sirwang/fur.wmv

 おもむろに振り回されて地面に叩きつけ昏倒させられ、惨たらしく生きたまま生皮を剥された狸や狐の姿は実に痛々しいものです。

「皮を剥ぐのはせめて殺してあげてからにして・・・」

動物の扱い方や殺し方は国それぞれの文化・・・とはわかってはいても苦々しいものです。


さて・・・暫くすると日本の某掲示板でこの映像をネタに中国を叩く発言を見ました。

 確かにこの映像を見ると残酷ですし、その殺し方も如何にも中国といったものです。しかし日本にも魚の踊り食いや魚の活け作りといった食事方法もあり、単に「残酷」という視点から見れば対象が哺乳類か魚類か程度の差であり、やっていることなんか大して変わらないという感があります。


 私の見てきた範囲で言えば、確かに内陸においてこうした動物の殺害方法はよく見れます。ビジュアル的にもよくありません。しかし、中国人はその動物の頭の先から足の先までしっかりと使い切ります、流れる血液さえも食べてしまいます。この映像に映る狸や狐が果たしてそこまで使い切ってもらっているかといわれれば近年の非典(SARS)の問題があったことから分かりかねますが、少し前の中国でしたら確実に「肉」として市場に並ぶか、鍋物になっていることは間違いないでしょう。その反面、日本では、捨て犬・捨て猫、野良など一年間で約70万匹もの動物たちが保健所などで殺されています。残酷な意見かも知れませんが、実験に使われて死ぬペットはまだマシなのかもしれないと思う時もあります。可愛がられること無く、働けることなく無く、ただ捨てられて処理されていく動物達に比べれば・・・。そういう意味で中国は生物の命を日本よりは使い切っていると私は思いますし、他の生物を殺さなければ生きていけない人間・・・・という観点から見れば無駄に生物を殺すことよりは良いことなのでは?と感じます。・・・ある日本料理人が以前テレビで「素材である魚に感謝するためにもしっかりと素材を使い切って美味しい料理を作る・・・」と言っていた記憶がありますが、対象が魚や食材以外になると日本人は結構無頓着なのではないかと感じました。



少々話がずれましたが、そんなわけで日本人がこのテーマで単に動物の殺し方云々で
中国を叩いていた事は残念でなりません。



さて、この内容を綴っていたら中国での生活が色々浮かんできました。
次回もこれに付随した内容を綴ってみたいと思います。