山里の野草探訪

  

8月18日(木)〜20日(土) (31枚)

栃木県 藤原町〜栗山村

  

(EOS Kiss Digital使用)

  

  

 

子供達が小さかった頃は、会社が夏休みになる8月初旬は栃木の山荘へ行くのが楽しみだった。 当時の辺りの山には落葉樹が多く、子供達はカブトムシやクワガタムシを採るのに夢中だった。 あれから30年、山荘の周辺の山に植えられていた身の丈ほどの杉の苗が今では20m以上の大木に育ち、落葉樹が姿を消して暗い杉林になってしまった。 

今でも年に数度は出かけて行き、湿った黴臭い山荘の傷みを直したり、風を通しながら思い出に耽けるだけ。 今回は夏風邪をひいたり天候が悪かったりで、来るのがお盆を過ぎてしまった。 周囲は例年より一週間以上遅いコバギボウシの花盛り。今年は大雪のせいでいろんな花の開花が遅れたようだ。 (写真は森に射し込む朝日に照らされたコバギボウシをISO1600で撮ったもの)

   
     
下の写真をクリックすると大きい写真が表示されます。  

山荘周辺の草花

  

鬼怒川・竜王峡近くの鶏頂山の山裾、標高500mの山荘は夜は薄掛けが無いと寒いくらい。 でも昼間はやっぱり暑いのだ。 汗を覚悟で周辺を歩いてみると、千葉の里山では出会へない山の草花が迎えてくれる。

  
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カラスノゴマ

(シナノキ科 カラスノゴマ属)

これまで何回か道端で出会ったことがあるのだが、何に属する植物か全く見当がつかなった。 最近ようやくこの名前を探し当てたのだ。 名前の由来はこの実の形からきているらしい。

カワラケツメイ

(マメ科 カワラケツメイ属)

国道から山径に入る附近の明るい草原が小さくて可愛いこの花で敷きつけられていた。 「河原決明」と書き、河原に生える「決明」と言う薬草に似た植物と言う意味らしい。

ヨメナ

(キク科 ヨメナ属)

実のところ、ヨメナなのかコンギクの種類なのか、分からない。葉が丸みがあって鋸歯が無いように見えるのだが・・。でも何であれ、この種類の花は田園散策ではお馴染で大好き。

    
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ゲンノショウコ

(フウロソウ科 フウロソウ属)

田舎育ちのせいで、この花は子供の頃から知っていて懐かしい。 千葉の里山でもごく普通に出会えるのだが、出会うたびにシャッターを押している。

  
  
       

山路の草花  

今あちこちで好きなタマアジサイが咲いている。 そしてこの時期になるとどうしても会いたくなるのがツリフネソウやフシグロセンノウ、そしてソバナやシデシャジン。 そんな草花を求めて毎年のように訪れている標高800m近い栗山村の土呂部川の谷筋まで足を延ばした。

今年はいつもより訪れるのが遅いのでどうかなあ・・・と思いながら、栗山村の集落から湯西川に抜けるつづら折の山径に入ってみると、径の両脇ではお目当ての山の草花が例年通り迎えてくれた。

  
        
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タマアジサイ その1

(ユキノシタ科 アジサイ属)

この時期の山はタマアジサイの季節である。 白い玉が弾けて咲き出すこの花はなんとも美しい。

タマアジサイ その2

(ユキノシタ科 アジサイ属)

湿った岩山の斜面や石垣に好んで生えるこのアジサイ、出会うと眺めずにはおられない。

タマアジサイ その3

(ユキノシタ科 アジサイ属)

これに似たような色で大好きなコアジサイというのがあるのだが、時期が梅雨時と言うこともあってなかなか出会えない。

      
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タマアジサイ その4

(ユキノシタ科 アジサイ属)

さりげなく石垣の斜面を飾る落ち着いた雰囲気のこの花、どこか日本庭園の美に通ずるものがある。

ツリガネニンジン その1

(キキョウ科 ツリガネニンジン属)

ひっそりとツリガネニンジンも咲いていた。この花を見ると暑い最中の夏なのに、どこと無く秋を感じてしまうから不思議である。

ツリガネニンジン その2

(キキョウ科 ツリガネニンジン属)

未だ咲き出したばかりのもある。この花、8月になると早々と咲き出す秋の花なのだ。 

       
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カノツメソウ

(セリ科 カノツメソウ属)

山でよく出会うのがこんなセリ科の植物。小さな白い花が見事に幾何学模様に並んで綺麗なのだが、これも種類が多くて見分けがつかない。 この写真の花もカノツメソウかどうか定かでない。

キンミズヒキ

(バラ科 キンミズヒキ属)

夏から秋にかけての山の常連はこのキンミズヒキ。 我が家周辺の里山でも良く見かけるこの花も、珍しくもないのに懐かしい。

シラヤマギク

(キク科 シオン属)

林の縁で静かに咲いているこの花も好きな花の一つ。 里山散策でこの花に出会うと不思議と落ち着いた気分になる。

   
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フシグロセンノウ

(ナデシコ科 センノウ属)

この花に初めて出会ったのは40年近く前の裏高尾の山歩きの時、変わった色のこの花を見て一体これは何ちゅう花だんべ?といぶかったことを思い出す。 

フシグロセンノウ (アップ)

(アナデシコ科 センノウ属)

昔は山荘近くの林の縁でも見かけたが、このところ殆ど見かけなくなり、最近は土呂部川の谷筋まで会いに行くのが恒例になってしまった。

クルマバナ

(シソ科 トウバナ属)

日当たりの良い山の斜面でこの珍しい花に対面。しそ科の植物は多いが、この花に出会うことは滅多に無い。

   
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ミズタマソウ

(アカバナ科 ミズタマソウ属)

初対面のこの花、姿を見ても何属か見当も付かず、闇雲に図鑑を探してやっとミズタマソウと判明。 白い毛に覆われた実の様子から「水玉草」となったらしい。

クサボタン

(キンポウゲ科 センニンソウ属)

久しぶりにこの花に出会った。なんで「ボタン」なのか以前から気になって調べたが分からない。 花の形が可愛いくて好きなのだが、センニソウ属とは不思議である。

ヌスビトハギ

(マメ科 ヌスビトハギ属)

ヌスビトハギが咲いてるのに出会った。 小さな花を見ると撮りたくなるのだが、僅かな風にもゆらゆら揺れてぶれずに撮るのは難しい。 これは多少ましな方。

  
 

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シデシャジン

(キキョウ科 シデシャジン属)

この変わった花に会うのが夏の山の楽しみである。 和名は「四手沙参」と書くそうで、花びらが神前に捧げる玉串の「四手」に似る様から付いた名だそうだ。 

シデシャジン (アップ)

(キキョウ科 シデシャジン属)

この花に初めて出会ったのは三十数年前の山荘近くだったが、今ではこの栗山村の山奥に来ないと出会えなくなった。

サワグルミ (実)

(クルミ科 サワグルミ属)

この樹、胡桃に似てるが・・と思って調べたらサワグルミ。 胡桃の仲間でもこんな小さな実が付くのがあるとは知らなかった。

  
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ツリフネソウ

(ツリフネソウ科 ツリフネソウ属)

奥多摩の鳩ノ巣から大岳山に向う山道で最初に出会った懐かしい花。 その後毎年栃木の山で再会していたが、なんと千葉の我が家近くにも大群落があったのだから驚いた。それにしても早い開花だ。

トチバニンジン (実)

(ウコギ科 トチバニンジン属)

道端の藪の中に見つけたこの赤い実は一体何だろう?と図鑑をめくると、トチバニンジンという植物の実であることが分かった。又又珍しい植物に出会って嬉しい限りだ。

キツリフネ

(ツリフネソウ科 ツリフネソウ属)

この花、普通のツリフネソウより早く咲くので期待していたが、期待通り咲いていた。この花はこの辺りのような山奥に来ないと会うことが出来ない。

   
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ソバナ その1

(キキョウ科 ツリガネニンジン属)

土呂部川へ流れ込む小さな沢の暗い斜面に、今年もソバナが咲いていた。 毎年この花に会うのが楽しみでここを訪れる。

ソバナ その2

(キキョウ科 ツリガネニンジン属)

夏でも冷んやりとした静かな樹陰に咲くこの小さな紫の花の風情がたまらなく好きなのだ。 

ソバナ (アップ)

(キキョウ科 ツリガネニンジン属)

毎年のようにこの花を撮るのだが、辺りがあまりに暗いので上手く取れたためしがない。今回はISO1600の設定で撮ってみた。

   

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