条件

 比較的郊外で核家族が戸建住宅を取得することを想定し、次のように条件を設定しました。
・家族構成:夫婦+子供2人
・生活様式:4LDK
・延床面積:約30坪
・規模:木造2階建
・駐車場:2台

方針

 約30坪の4LDKで快適な生活を成立させるには、あまりゆとりがないので、個人の領域より家族の領域を優先させつつ、
各室の機能に支障のない面積配分にしました。
 LDKに広々感が必要な理由は、手狭なLDKだと、子供が成長するにしたがって、家族や来客が集合すると圧迫感となり、
個室に逃げ込む傾向にあるからで、家族各自が別々のことをしていても、できるだけ家族一緒にいる状態を創り出すには、LDK
孤立しすぎず密着しすぎず、程々で微妙な距離感が選択できる、ゆとりを確保しておくべきです。

○居間
・3人掛のソファーとテレビが正対でき、両者が接近しすぎない距離を確保
・一角にパソコンデスクか子供の学習机が設置できるゆとりのある広さ
○食事室
・家族と来客が一緒に食事できるよう、6人掛の食卓が設置できる広さ
○厨房
・対面式のシステムキッチンから居間・食事室や和室が見渡せる
○和室
・来客用の寝室や幼少期の子供の遊び場を想定
・フスマを開け放せばLDKと一体化できる
○子供室
・子供はいずれ独立することを想定し、密閉化・充実化を避け、ベッドとデスクを設置し、着替ができる最小限の広さ
・子供の男女別・年齢差や今後の変化等に柔軟に対応できるよう、2室に間仕切れるワンルームに
○夫婦室
・夫婦は老後まで長年生活することを想定し、子供室とはメリハリをつけた広さに
・主に衣服用の納戸を併設

提案

 戸建住宅を計画する際には、建主の要望・予算や敷地自体・周辺環境等、様々な条件がありますが、ここでは特に敷地外形
から家屋外形が制約されるので、それにしたがって分類しました。

2階LDK
 1階に庭が確保できないので、2階に複数のバルコニーを配置し、様々な生活行為を補完するとともに、LDKが2階だと
屋根形状を活かして勾配天井にすれば、解放感が創り出せます。


例)3.0W×5.0D―W
 

 

2階LDK
 1階の居間前に南庭を確保しつつ、2階の各個室前にも南面バルコニーを配置しますが、隣棟間隔が接近しており、1階LDK
の日照確保が困難なので、日照の最も良好な南隅に吹抜のある居間、その奥に食事室等を配置します。

南入り敷地

北入り敷地

例)4.5W×4.5D―N,5.0W×3.5D―S