日本でのパスタの元祖ともいえるナポリタンスパゲッティ、レシピは簡単なのですがリクツを理解すれば好みの味にすること可能です。まずは、一般的なレシピを簡単に紹介します。
<材料>
※分量は適当でOK
太麺パスタできれば2.2㎜、ケチャップ、油(オリーブオイルでもサラダ油でも好みに合わせて)
玉ねぎ+好きな野菜、好きな肉(普通はソーセージ)
<作り方>
1.パスタをゆでる。
2.玉ねぎ、ソーセージと野菜を炒める。
3.トマトケチャップを加熱する。
4.上記すべてを油で炒めて完成
①麺表面のたんぱく質熱変性 | 麺は高温でゆでるとたんぱく質が熱編成し凝固し少し硬くなり味を閉じ込めます。低温でゆでると表面が柔らかくなります。昔の喫茶店で出てくるパスタに近付けたければ高温でゆでることをおすすめします。 |
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②麺内部のでんぷんの糊化 | 麺の内部に高温の水分がしみこむとでんぷん成分が糊化し軟化します。いわゆるもちもちとしぃた触感になります。水分が足りないと歯ごたえになります。茹で時間とその後の放置時間により糊化を促進してもちもち感を出すか、固い部分を残してアルデンテを楽しむかは好み次第です。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければ、もちもち感を出すべく少し長めにゆでるのをおすすめします。 |
③麺炒め時の表面の乳化(エマルジョン) | 水と油は混ざらないですが、高温で混ぜると乳化して麺表面がつるつるした食感になります。イタリア料理ではこの乳化されたものが好まれるようです。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければ、具材・ケチャップと混ぜる前に茹でた麺を油で炒めて乳化させておくことをおすすめします。 |
④糖とタンパク質のメイラード反応 | 具材・麺・ケチャップに含まれる糖とタンパク質は加熱すると褐色になり香ばしい香りをだすメイラード反応をします。加熱しすぎると炭化してしまいます。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければ各々をフライパンで加熱することをおすすめします。 |
⑤リコピンのシス体化 | ケチャップに含まれるリコピンは油と一緒に加熱するとシス体になり体への吸収率を上げます。玉ねぎと一緒に炒めるとシス体の割合が高まります。味とは直接は関係ないですが、ケチャップと玉ねぎは油を使って一緒に炒めると健康に良くなりおすすめです。 |
⑥リコピンの油への溶解 | ケチャップに含まれるリコピンは油に溶解されると黄色くなり体への吸収率が高まります。油が少なければ赤、多ければ黄色に近いオレンジ色にと好みの色に調整すること可能です。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければ赤ではなくオレンジ色になるように油の量を調整することをおすすめします。 |
⑦酢酸の気化 | ケチャップに含まれる酢酸は加熱されると気化されます。ケチャップの酸味の主成分は酢酸ですのでケチャップの加熱量により酸味を調整することが可能になります。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければケチャップは麺や具材に絡めて酢酸が吸収してしまう前にフライパンで良く加熱しておくことをおすすめします。 |
⑧クエン酸の中和 | ケチャップの酸味は酢酸の次にクエン酸が影響しています。クエン酸は体の疲れをとる成分ですが、更に酸味を抜きたい場合は加熱では難しく、重曹や乳成分で中和させて酸味を除去することができます。昔の喫茶店で出てくるナポリタンに近付けたければ好みにより多量のパルメザンチーズをかけ、お子様ランチのナポリタンに近付けたければ少し重曹を入れて更に酸味を抜くことをおすすめします。 |