音楽論

MIDIを作る上で必要なもの

 

今日は久しぶりに「お勧めMIDIサイト」を更新しました。
「CMC」さんや「GML」さんを除くと、一月半ほど間が空いたでしょうか。
いやいや、別にサボってたわけじゃないんですよ。
まあ、それはさて置き・・・・・・。

そろそろ私のパソコン、結構中身がゴチャゴチャしてきたので
今日ちょっと整理してみたんですよ。
とはいっても、いらないファイルを削除していっただけなんですが。
結局いらないファイルは2.02MBありました。
ええ、全部MIDIファイルです。

そう、別に「お勧めMIDIサイト」の更新はサボってたわけじゃないんです。
私自身、自分で作れる曲の数には限界がありますし、
よりハイレベルなMIDIを聴いて自分の技術の向上に役立てたいと思っていますから、
暇があれば結構いろんな検索エンジンなどを使ってMIDIサイトを探しているわけです。

その結果、たまったMIDIファイルが2.02MB。
見事に全てゴミ箱行きを果たしました。

当「the World」も決してレベルの高いMIDIサイトではありませんが、
世の中にはレベルが高い低いで論じる以前にまともか否かを論じなければ
ならない
ようなMIDIサイトが非常に多いのです。
そして今回、久しぶりに「これはすごい」と思えるMIDIサイトを発見したというわけです。

 

さて、ここまでで充分ヒドイことをほざいているわけですが、ここからさらに毒舌になります。
最近「CMC」さんや「GML」さんに登録したおかげでヒット数が増えているわけで、
お客さんの中にはMIDI初心者という方もいらっしゃると思いますが、
ここから先、私はかなりキツイことを書いていきます。
しかし以下の文章は、MIDI初心者の方が「これからどのように技術を向上させていけば
いいのか」を見つけるきっかけになればと思って書くものです

ただのアオリや誹謗中傷の類ではありません。
MIDI初心者の方も、「ああこんなこと考えてる奴もいるんだな」程度の軽い気持ちで構いません。
どうか最後まで怒らずに読んでください。
また、私よりもハイレベルなMIDI制作者の皆さんにとっては生意気な戯れ言にしか聞こえない
と思います。まさにその通りなので笑いながら読んで頂ければ幸いです。

 

まず、MIDIを作る上で必要なものとは何でしょう?
ここでいう「必要なもの」とは、MIDI音源や打ち込み用キーボード等の器材のことを
指しているのではありません。
MIDIを作る上で、どんなことを知っていればいいのか、どんなことができればいいのか
ということです。
私が考える「MIDIを作る上で必要なもの」とは、

1、音楽(楽理)の知識
2、不協和音を聴いて変だと思える耳
3、シーケンスソフトや音源に関する知識
4、根性

の4つです。
しかし、これら全てが同様に必要とされるわけではありません。
では、上の4つの中で一番必要なものは何でしょうか?

「えぇ? 絶対音感じゃないの?」と答えた上級者の方。
思い上がってんじゃねーよ。

「えぇ? 絶対音感じゃないの?」と思ってしまわれた初心者の方。
安心してください。違います。

「えぇ? リズム感でしょ?」と答えた上級者の方。
音楽やめてダンスでもやったら?

「えぇ? リズム感でしょ?」と思ってしまわれた初心者の方。
・・・普通いないでしょうね。

3だと答えた上級者の方。
上級者であるという自覚を改めてください。

3だと思ってしまわれた初心者の方。
失敗への第一歩です。気をつけてください。

4だと答えた方。
個人的には嫌いじゃないんですけどね。

また、1だと答えた上級者の方。
それはアナタが上級者だからそう思えるだけです。

そして、1だと思ってしまわれた初心者の方。
音楽がつまらなくなってしまいますよ。

まあ確かに音楽の知識は3や4に比べれば必要なものですが、
何よりも必要なのは、実は

「不協和音を聴いて変だと思える耳」

なのです。
上で私は今日2.02MBものMIDIファイルを削除したと書きましたが、
削除されたMIDIデータの制作者はみんな例外なくこれが欠如していると思われます。
結構ヒット数の多いMIDIサイトの管理人さんでさえ
ただ単に音色を色々いじくるのがうまいだけという方がかなりいらっしゃいます。
しかし、いくら奇麗な音で演出したところで、
明らかに間違ったコードを聴いた時の不快感は消えはしないのです。
音楽の知識の全くない人でも、明らかに間違ったコードを聞いた時には違和感を覚えるものです。
もう一度断言します。

音色で不協和音はごまかせません。

では、「不協和音を聴いて変だと思える耳」を養うにはどうすればいいのでしょうか。
それには自分に厳しくなればいいのです。
自己満足を徹底的に嫌いましょう。
完成したMIDIデータを聴いて自己満足に浸っていると、不協和音も許せるようになって
しまうものです。しかし、その不協和音を許せるのは作った本人だけ。
そんなものを他人に聞かせようものなら嘲笑のネタにされるのが関の山です。
ただただ謙虚に自分の作品に耳を傾け、(コピーの場合は原曲とよく聞き比べて)
変だと思ったらやっぱりその音は間違いなのです。
ただ、これを実行するのはとても難しいものです。
かく言う私ですら、自分に厳しくしているつもりではいてもやはり徹底できてはいないのです。
その証拠に、当サイトには修正版MIDIデータがいくつもあります。
完成した当時は「これでよし!」とか思っていても、後で聴いて「消えろ!」とか思えることが
非常に多いのです。
そんな時には過去の過ちを恥じながら修正版MIDIデータをアップするのです。
今回も「雪の少女」の修正版をアップしました。私は3日前の自分が許せません

さて、それでは不協和音をちゃんと見抜けたらその後はどうやって直せばいいのでしょうか。
ここで初めて1の「音楽の知識」が必要になってきます。
特に絶対音感がない人の場合、ある程度のコードの知識(「これとこれとこれを同時に弾いたら
こんな音になる」といった感じで構いません)は必要不可欠です。
徐々にで構いません。色々な曲を聴いたり、自分で曲を作ったりしながら
学んでいきましょう。いきなり楽典の本なんか読んだら飽きることうけあいです。要注意。
そして、そうやって得た知識を基に、間違いをちょっとづつ修正していけばいいのです。
そこで必要になってくるのが4の「根性」です。
「わからねー」と言って投げ出さず、根気よく(手探りででも)音をあてていけば、
いつかピタッとくる音に出会えるはずです。
そして、その時に得た「正解」も、その後の重要な糧になっていくのです。

絶対音感やリズム感はそうやって音楽と触れ合っていくうちに自然と身についてきます。
重要度はどちらかといえばリズム感の方が上でしょうか。
それにこちらの方が身につきやすいと思いますし、音楽の素養がなくても
リズム感がある人というのは少なくないでしょう。
そしてここまで読んで頂けたのなら分かって頂けると思いますが、
絶対音感はあればあったで便利なものですが、別になくても構いません。
他のもので充分カバーできるのです。

最後に必要になってくるのが「シーケンスソフトや音源に関する知識」です。
不協和音を自分で排除できたら今度は音色を色々いじくってみましょう。

誤解のないように付け足しておきますが、耳が不完全なのに音色をいじくってはいけない
と言っているわけではありません。
音源があればいじってみたくなるのが人情というものでしょうし、
自分で色々な音色を試しているうちに音楽が楽しくなってくるでしょう。
それはとてもいいことなのですが、あまり音色にばかり執心しすぎると
忌むべき「自己満足の境地」に至ってしまいがちなので、
それには充分気をつけるべきだ
ということを言いたいのです。

さて、ここまで偉そうなことを書いてきて、「じゃあお前はどーなんだ」と問われるのを
覚悟していないわけではありません。ここでちょっと自己分析をしてみましょう。
私は一体「MIDIを作る上で必要なもの」を持ち合わせているのでしょうか。

2は言うまでもなく持っています。といっても不完全ではありますが、
そのこともちゃんと自覚して、謙虚に何度も自分の曲を聞き直し、
恥を忍んで修正MIDIを公開しているのは前述の通りです。
そして、そこまでやるくらいですから4も持っているといって差し支えないと
自負しております。

1は・・・・・・、実はちゃんとした楽典の知識はかなりうろ覚えです。
ですが私はその代わりに絶対音感があるのでそれが知識の代わりをしてくれています。

3は・・・・・・、すみません、まだかなり不完全です。
ですから私は音色のことで様々な注意を今もよく受けています。
これからもまだまだ上を目指して頑張っていきたいと思っております。

さて、ここに書いた自己分析が真実かどうか、それは当サイトのMIDIを聴いて判断してください。
音色に難があるものは多々ありますが、それでもコードが明らかに間違っている
違和感満載の曲は一つもないはずです。
レベルの高い低いはさて置き、一応まともなMIDIサイトを自負しておりますので。

 

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