1.メーカーによる違い
今現在、ペダルを販売しているメーカーってどのくらいあるのかね?
大抵の人が良く見かけるメーカーと言えば、
「YAMAHA、Pearl、TAMA、dw」って感じですかな。
実際世に出回ってるペダルのほとんどがこれらのメーカーではないかと思うしね。
でも実はこれらのペダル、みんなが思ってる以上に違いがあるんですな!
知らないで買ってしまうと、後で大変なことに…!なんないけどね。
けど、どうせなら自分に合ったものを使いたいもんだし。
ざっと特徴を挙げると以下の通り(偏見が結構入ってます)。
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軽さ |
安定性 |
音量 |
スライド |
調整 |
値段 |
YAMAHA |
◎ |
× |
△ |
◎ |
○ |
○ |
Paerl |
◎ |
× |
△ |
○ |
◎ |
○ |
TAMA |
× |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
dw |
○ |
◎ |
◎ |
△ |
△ |
× |
ここでいう「軽さ」とは踏んだ時に感じるペダルの重さ、反応が「軽い」ということです。
また、「安定性」とは踏んだ時にぶれないか、遊びがないか、しっかり力が伝わるかってことです。
その点でいうと、唯一dwは軽さと安定性を兼ね備えているといえます。
他にも、「音量」では、「安定性」が高いものが大きくなっていることもわかります。
「スライド」とはスライド奏法のしやすさです。スライド奏法を多用する人は表面の凹凸が邪魔になったりします。逆に表面が平らすぎると滑るので安定性がなくなるという人もいます。
「調整」は調整機能の豊富さ。調整する箇所が多ければ多いほど自分好みにカスタマイズできます。でも多くなりすぎると仕組みが複雑になってしまいます。
最後に「値段」。こればっかりはdwが大きく遅れを取っています。他の三社は特に大きな違いはないと思う、多分。
これらを比較すると、軽さならYAMAHA or
Pearl、安定性ならTAMA or dwという結果です。
でもあくまでてきとうに物事判断してるんで、実際に踏んで確認するのがいいと思います。
2.ペダルのキャラクターに影響する要素
先ほどのペダルのキャラクターの違いに及ぼす影響のあるもので思いついたものを挙げてみました。
a.フットボード |
フットボードが重いと踏み心地も重くなります。
各社様々なフットボードの形をしていますが、シンプルで薄いものは軽いと考えていいと思います。
実はあんまり重要視してない人が多いと思うけど、これが相当なキャラクターのカギを握ってるといってもおかしくないですな。
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b.ドライブの種類 |
ドライブの種類とは、フットボードとビーターへの動力を伝えるドライブの種類のことです。
よく見るのが「チェーン」を使ったもの。
チェーンにも、一本のチェーンから成る「シングルチェーン」、そして二本の「ダブルチェーン」があります。
前者の方が軽く、後者のほうが重いです。
そのかわり二本になる分、横ブレが低減され、動力を確実に伝えられるといった安定感もあります。
チェーンのほかに、「ベルト」タイプのものがあります。
安定感はチェーンに劣るものの、独特の踏み心地が特徴です。
踏んだ瞬間とヘッドに当たった瞬間にベルトが伸びる作用が働き、結果として柔らかい踏み心地が得られます。
また、チェーンよりもスムーズで軽いといった利点もあります。
ただ、パワーや安定感がチェーンよりも劣るので、主にjazzなどで多く使われている模様。
そしてあとは「ダイレクトドライブ」といわれる種類のものです。
このタイプを採用しているのは主にLudwig、YAMAHA、AXISなどです。
これはフットボードとビーターの軸が一体の部品からなっているのでほとんどロスがなく、結果として非常に軽い感覚が得られます。
しかし一体にすることにより、「遊び」が得られなくなるといった短所があります。
言うなれば、フットボードの上下運動がビーターの動きに直結するので、非常に制約された踏み心地になってしまうといったことがあります。
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c.ビーター |
あまり気にしてる人が少ないと思うんだけど、「ビーター」も踏み心地に大きな影響を与えています。
もちろん軽いビーターの方が踏み心地も軽くなるのは当然ですな。
しかし軽すぎると音量や音質に影響が出てくると思います。
その他にも、プラスチックとフェルトの使い分けが出来るタイプ。
ビーターの重さ自体は関係ないんだけど、向きを変えるだけで踏み心地が変わるものもあります。
原因はビーターの「重心」の変化。
大体はプラスチック面の方がフェルトよりも重いために、プラスチック面に変えてから反応が良くなった気がすることがあります。
特にdwではこの現象が顕著に感じられる気がしますな。
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d.フットボードのヒンジ部 |
フットボードのヒンジ部とは、フットボードの付け根と、トゥー部分(先端)とをつないでいる蝶番(ちょうつがい)のこと。
ここがいいかげんだと、使っているうちに横ブレが発生してきます。
中でもYAMAHA、Pearlなどは、このヒンジ部の作りがいいかげんなだけに、使っていると横ブレが発生します。
両社とも、未だに普通の蝶番。
フットボードに穴をあけて棒を通すだけといった適当な作り。
この横ブレはペダルにとっては結構大きな問題で、安定性に致命的な結果を生んでしまいます。
その点しっかりしてるのが、dw、TAMAといったメーカー。
dwはこのヒンジ部に相当な力を入れていて、横ブレを極力抑えようという姿勢が見られます。
dwはこの部品にベアリングを使っています(ここだけでざっと一万円)。
TAMAはここに「オイレスベアリング」といって潤滑油が含まれている特殊な金属を使うことによってスムーズさを実現してます。
これじゃYAMAHAやPearlを買う気をなくしますよ。
それほどまでに両社にとっては致命的な弱点なのです。
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e.カムの形状 |
「カム」とは、チェーンなどが巻きついてる丸い板のこと。
回転軸が中心にある「真円」タイプ、回転軸が中心からずれた「偏芯」タイプの二種類に大きく分けることが出来ます。
真円タイプは、反応が素直で、パワーがあります。これは回転軸が中心にあるためで、常に等間隔で一定の力が働くんですな。
で、偏芯タイプ。
これは回転軸が中心からずれているので一定したパワーが得られないんですが、その分スピードの強化を図っているのであります。
回転軸が中心からずれると、カムはいびつな形で軌跡を描くことになるんだけど、これを逆手にとって加速が得られるという仕組み。
結果的に軽く感じられることが多いのです。
MAPEXではこのカムの形状が自由に変形できる機構を持った独特な商品が出てます。
またPearlのエリミネーターは四種類のカムを自由に選べることにより、より高い自由度を実現しています。
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f.アンダープレートの有無 |
アンダープレートとは、ペダルの裏についている板のこと。
主に、ペダルの安定を狙って取り付けてあります。
ペダルを踏んだ瞬間、またヘッドにヒットした瞬間というのは、ペダル自体に力がかかり、これによりペダルが変形し、たわんでしまいます。
アンダープレートを取り付けることにより、この変形が抑えられ、結果的に安定感が得られます。
各社安価なモデルはこのアンダープレートがついてない場合があるんだけど、ついてないにもの利点があります。
アンダープレートがないとペダルがたわんでしまうんだけど、その分衝撃を和らげ、バスドラに自然に力が伝わり、音がナチュラルになる、といった利点もあります。
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3.まとめ
これらの内容をまとめると、次のような感じ。
・軽さで選ぶならYAMAHA、Pearl。TAMAは重い印象を受ける。
・dwはバランスがいいけど高い!
・YAMAHA、Pearlはヒンジ部に不安あり。
・YAMAHA、Pearlはチェーン、ベルトと自由に変えられる。
・ビーターは材質、重さを考えて選ぶ。
・Pearlは調整機能が豊富。
・安価なものでも使いやすいものもある。
うーん、うまくまとまってないな〜。
でもやっぱりdwが頭一つ抜け出ているといった感じがします。
何だかんだで、最後は自分の好みと金銭面で自分に合ったものを選ぶのが良いと思われます。
ちなみに自分は、dw9000とYAMAHA-FP720というものを使っています。
とりあえずこの二つはおすすめです。
また、いいものを持っていても、それを使いこなす技術、また調整できるだけの知識も必要です。
参考になったかわかんないけど、こんな感じで自分に合ったペダルを探してみてはいかかでしょうか?